廊下側の堂本さんの席を見れば、ぽつんと一人でお弁当を食べている。

「構って構ってって、背中が言ってる」

ふふ、と笑ってしまった。きょとんとした顔のアキは、すぐに難しそうな顔をする。

「だって本当のことだもーん」

「トイレの所では優しかったのに、祈璃はたまに凄く冷たいこと言うよね」

「あたしはいつだって可愛くて優しくて素晴らしいよ?」

パンの袋を折り畳んで結ぶ。お弁当をぺろりと平らげたアキはおやつのようにおにぎりを食べ始めた。

堂本さんを抜いた女子のグループを眺めるけれど、いつもと相違ない。あ、いつもがよく知らないけれど。