ポカーンとする教室の空気。
「昨日帰ってみたら、ノートの間に挟まってて、本当に本当にごめんなさい!」
泣きそうな声で濱さんが謝る。
アキに聞いたら、領収証がないとやっぱりお金はおりないらしい。そういう例外は認められていない。ということは、クラス全員の自腹になる。
頭を下げたままの濱さんは、誰かが何かを言わないと頭を上げられないと思った。
「あって良かった。濱さん、頭上げて」
それを言ったのは藤沢さん。
笑顔で濱さんに近寄り、背中に手を添える。それを合図に教室の空気が緩んだ。
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