少し前を歩く藤沢さんの姿が見えた。
一人で、イヤホンを耳に突っ込んで歩いている。道路に広がる女子の大群と一緒に帰っているのかと思っていた。
いや、あの人はそんなことしないか。
そんな風に思うのは失礼かもしれない。
それでも、クラス替え当日から今日まで藤沢さんを見てきてやっぱり、違和感を覚えた。
本当は一人でいたいけれど、人が集まりやすい空気を出しているというか……。
「……難しい」
ひらひらと横から堂本さんの手が出てくる。
「祈璃、シフトいつ?」
「二日目の午後の方に入ってる」
アキに返事をした。