たんぽぽの綿毛を飛ばす。

春休み。あたしはアキと堂本さんとお花見に来ていた。

「……悪くはないけど」

敷物を芝生の上に敷く。堂本さんが呟いた。

「普通、もっと王道な場所行かない!? なんでうちの近所?」

ここは堂本さん宅の近くの公園。
向こうにある遊具には子供たちが遊んでいる。

「堂本さんママが薦めてくれたのにー。『すーちゃんと一緒にお花見? じゃああそこが良いわあ』って」

「なんでそんなに母の真似うまいの……」

「堂本さんママって、ママって感じがして、あたし好きだなあ」

アキは座って、シロツメクサの中から四つ葉探しをしていた。