「堂本、ここで食べてんだ」

祈璃の顔が上がったのと、その声が聞こえたのは同時だった。

誰か、と見上げる。

「あ、うん……バスケ部みんなで?」

愛想笑いを含めて、聞き返す。
どうやら堂本さんのクラスメートらしい。

「そ。ミーティングも兼ねて」

言いながら、男子の視線は俺を捉えていた。その後ろにいるのは如何にも女バスって感じの女子。

「先行ってるね」

「あ、じゃあまた」

去っていく姿を見て、祈璃が口を開いた。

「なにあれ、二人共同じクラス?」

二人が溶け込んで行った先は、長テーブルを陣取っていた集団。