まずあたしは、何を勉強しに大学に行きたいのかっていうところから決まってない。よくこんな覚悟で三年に上がれたものだ。 まあ、何もしなくてもあたし可愛いし素敵だし優しいし。 でも、家は出たいと思っている。 それだけは確かなこと。 「――では、これで話を終わりたいと思います」 壇上からの声に前を向くと、前に座っていた藤沢さんが座りながら眠っていた。 「祈璃ちゃん、放課後って予定ある? クラスの女子みんなでカラオケ行こうって話してるんだけど」 そんな感じの言葉を聞いたのは約二年ぶり。