ふと気付いて話しかける。

「ナッコちゃんに連絡した?」

「あ、忘れてた」

アキの両親は忙しいみたいで、殆どお姉さんであるナッコちゃんと一緒に暮らしているようなもの。
たまにお家にゲームをしに遊びに行くと、リビングでバラエティ番組と笑い声が聞こえる。

カチカチと未だガラケーであるそれでメールを打って、テーブルの上に放置。

じっと見つめていると、そういえば携帯が原因で男と別れたこともあったなあと思い出した。

「待ち受け見たいだけだったの」

「うん?」

「携帯の待ち受け。結構前の彼氏の。だからちゃんと聞いたの『携帯見せて』って」

「黙って見るよりは良いね」