「……奈々っ!」


扉を開け息を切らしながら入ってきたのは……


「…亮?」


あたしの大切な人。


教会の人も何かを察したのか、また後で戻るねと言ってどこか行ってしまった。


神聖なる教会で二人きり。


ドキドキが止まらない。



「……何でここに?」



「…ここ来ればお前に会えると思った」



ふっと優しく笑う亮に涙が溢れそうになる。



「あ、あたしも…だよ。ここに来れば亮に……」


涙を溜めながら言うと、亮はいきなりあたしの手を引き寄せ抱きしめた。