「……え?誰?」
部屋中見渡してもこの部屋にはあたししかいない。
“上を見てごらん”
どこからか聞こえる声に従って上を向くとふわっと白いものが降ってきた。
……雪だ
“君はまだ彼に本当の気持ちを伝えていないんだろう?ならまだ終わってなんかいないよ”
もしかして……
「さ、サンタさん?」
サンタさんなの?
“君なら大丈夫。ちゃんと伝えられるよ
素敵なクリスマスを”
その瞬間、ふわっと浮いた感じがしてハッと我に返った。
「やっぱり、サンタさん来てくれたんだ……」
まだ何も始まってない、か
あたしはまだアイツに伝えてなかった。
そうだよね。始まってないのに終るわけない!
気づけばあたしは家を飛び出していた。