「宇佐川拓人君……か、」 私はふふっと思わず声を漏らす。 それと、同時にチャイムが鳴り響いた。 ――――――――― ――――――― ――――― 「終わったぁー!久し振りに一緒に帰らない?淋!」 「ぇ!良いの!?」 私の言葉に香は嬉しそうにこくっと頷いた。 私はパァァァっと顔を明るくする。 「淋喜びすぎ…顔が綻んでる…」 「ぇ?あ、ごめん!」 私はキリッと顔を整える。