犬系男子を被った王子様





「ここの屋上だーれも来ないし、だーれも近寄らない…」


「はぁ…」


「だから今日からここを俺と猫宮さん、二人の”秘密場所”にしよう!」



「ぇ?……えーー!!」



突然の発言に私はその場から立ち上がる。



「ね、ね?良くない?!俺、猫宮さんともっと仲良くなりたいし!」



犬川くんも立ち上がり私と目線を合わせる。



「で、でも」



私は言葉を濁す。



「ダメ、なの?」


「ダメって訳では…けれど…」



私は震える声で言葉を出す。