犬系男子を被った王子様




「ここ綺麗だよね~景色が…」


犬川くんは私に向かって歩きながら言う。



「そ、そうだ、ね」


動揺しまくりな私は途切れ途切れに言葉を発する。




「うん…俺初めてここに来たよ」


「うん…わ、たしも…」



ここで話が途切れてしまう。




「猫宮さん♪」



名前を呼ばれてゆっくりと犬川くんの方を向くと犬川くんは地面に座っていた。




「猫宮さんも座りなよ」



彼はにっこりと笑顔でこう言った。