犬系男子を被った王子様




誰もいない廊下を歩くとふと、目にとまる。



”階段”



この上は屋上…立ち入り禁止ではないが誰も近寄らない場所だ。




興味が湧いた私は屋上へ行ってみることにした。




――――ガチャ



「わぁ~…凄い…」


屋上なんて行ったことがない私は屋上からの景色に歓声をあげる。




フェンスに近寄り景色を堪能する私。
思わず見惚れていると…




「危ないっ!」


「のぉえ!?…え?え?」



いきなり真後ろで声が聞こえて私は思わず飛び上がる。
恐る恐る後ろを向くとそこには私と性格が真逆な人がいた。




「い、犬川…くん」



震える声で名前を呼ぶと犬川くんはニコッと笑顔を見せる。