犬系男子を被った王子様



「何か、、そう言われると嬉しいな」


手を合わせて微笑む私に冬夜君も口元が緩む。



「でも、これからは寒くなるからマフラーとかも必要になるね」


私の言葉に冬夜君は眉を歪めて頷く。



「俺、寒いの嫌いなんだよなぁ〜」


「私も苦手だよ………手とか冷え性だし」



私は手を小さく擦り合わせる。
すると、冬夜君がいきなり手を握った。



「ひゃ!え、え〜と、、あの、」



いきなりの事で頬が熱くなるのを感じる私。
すると、冬夜君は手を絡めるように握り直す。



「あ、ああああの!冬夜君、、」


「恋人繋ぎ。帰りはこうして帰ろう」



まっすぐ微笑む冬夜君に私は笑顔で頷いた。
だけど、、この幸せがもう直ぐ崩れるなんて今の私は考えもしなかった。