犬系男子を被った王子様





それに、小さく微笑んで私は紫音君に手紙を書く。
そして、後ろへと渡す。


だが、その光景を冬夜君が見ていたなんて私は知らなかった。



やがて、授業が終わりお昼休み。
私はお弁当をもって屋上へと向かう。


先に来た私はフェンスに寄りかかって座る。
空をボーッと眺めていると、



「淋」


名前を呼ばれて反応すると、


「ぁ、、と、冬夜君…」



思いっきり抱き締められている私。
それに私は恥ずかしくて顔を俯かせる。


「ねぇ、、淋?」


耳元で話しかけられるから妙にくすぐったい。
私が身をよじると、


「四宮と手紙……何してたの?」



そこで、私はハッと息を飲む。