WILL ~あなたの願い、叶えます~

「ほら、WILLだよ。お前も最近始めたんじゃなかった?」

覚束ない運転で滑り込んだのは、いつもなら絶対に立ち寄らない、トイレと自動販売機くらいしかないような寂れたPAだった。

そこに停めて後部座席を振り返った瞬間に、ケータイを差し出される。


WILL――SNSサイトのひとつ。

結構昔からあるヤツだが、克之が良いボードサークルを見つけて先シーズンたまに相乗りしたと聞いて、確かに俺も最近になって登録した。


「え、今さらWILL入ったの? 遅くない?」

「るせ。んなこた今はどうでもいんだよ」


ひったくるようにケータイを奪い、画面に食いつく。
誰かの日記、みたいだけど、これは……


「なんだ、これ」

「な、由紀ちゃんっぽいだろ?」