WILL ~あなたの願い、叶えます~

「な、これ、由紀ちゃんじゃね?」

ケータイ片手に克之がそんなことを言いだしたのは、帰りの車内だった。


「は? あいつがどうした?」

運転中の俺は、見れない。
が、

「うわあ……それっぽい」

「マジでヤバいかもよ、圭輔」

克之のケータイを覗きこんだ面々が口ぐちにそんなことを言いだして、気になってしょうがない。

一瞬どっかのサイトで今朝の悪口でも呟かれたのかと思ったが、あいつのケータイは今俺の荷物の中だ。
PC――では、由紀は呟いたりしない。


「……てか、これこのままじゃ、由紀ちゃんも危なくない?」