相手が女だからって、本気の拳を寝起きで油断した鳩尾に食らえばそこそこのダメージを受ける。
というコトを、24歳にして初めて知った。

つーか、今まで女にグーで殴られたことなんかない。
平手くらいならあるけど。


「……ってぇ」


咳が治まっても痛みが消えず、情けない声を漏らしながら腹を擦る。

叩きつけるようにドアを閉めて消えてしまった由紀を追おうにもまずは服を着たい。
が、思いの外ダメージがデカくてなかなか動けない。