朝だ。
始発はとうに動いている。
刺す様な寒さと眩しすぎる陽射しが、余韻を全てかき消した。


甘い言葉も温もりも全部、クリスマスの夜の魔法と一緒――解けてしまったのだと。


滲んだ涙も凍り付きそうな空気だった。

克之の時には笑い飛ばせたのに、たった一晩で溺れた相手のためには、私は泣けるらしかった。