「お前、ほんっと楽しそうに滑るな」
「てん……鍵本さんこそ。子どもみたいでしたよ」
ゴールにしたレストハウスまであと少し、というところで。
コブを見つけて「跳んでくる」と一声、店長は一気に私を置き去りにした。
その加速には参ったけど、跳んでる間に抜ける……はずだったんだけど、なあ。
とにかく、彼は速かった。
「こんなんで良かったの? せっかく勝ったのに」
紙コップのカフェオレから上がってくる熱気が、きんきんに冷えた顔をほぐしていく。
「うん、別にいい。十分楽しんだし」
「てん……鍵本さんこそ。子どもみたいでしたよ」
ゴールにしたレストハウスまであと少し、というところで。
コブを見つけて「跳んでくる」と一声、店長は一気に私を置き去りにした。
その加速には参ったけど、跳んでる間に抜ける……はずだったんだけど、なあ。
とにかく、彼は速かった。
「こんなんで良かったの? せっかく勝ったのに」
紙コップのカフェオレから上がってくる熱気が、きんきんに冷えた顔をほぐしていく。
「うん、別にいい。十分楽しんだし」


