WILL ~あなたの願い、叶えます~

止まってる時間はないので、私もひと蹴りして加速。

斜面がまだ緩い内に後ろ足の雪を払い、バインディングを――滑りながら装着、完了。

ぎりぎり背中を視界に捉えると、ちょうどこっちを振り返った店長は挑発するようにグラトリを見せた。

それからわざわざ立ち止まって、

「一番下のレストハウスまでなーッ!!」

ジェスチャー付で叫んで余裕を見せてるあたりがムカつく。

「絶ッ対追いつく!」

そっちが跳んだり回ったり遊んでる内に、追い抜かしてやる!
スピード狂の直滑降なめんなよ!