「疲れて? はあ、別に……」

否定しておきながら、微妙に顔を曇らせたのを見逃せなかった。

「なんだ、なんか気になってんのか?」

はっきり言わないのは、仕事とは関係ないことだからか。
例えば――、あいつの、『元』恋人のこととか。

「や、店長なんか顔怖い」

……なんだかつい最近聞いたようなセリフに、思わずコーヒーを吹き出しそうになった。

「持って生まれたモンだぞ、放っとけ」