玲也side

「……………くだらない。」

そう猫ちゃんが呟いた。

「何がくだらないのよっっ」

俺もそう思った。
なんなんだこいつは?

「君達。」

「おい、どうしたっ?」

騒ぎを聞き付けた詩輝さんがやって来た。焦った顔をして。

「……………お前、何がくだらない?」

棗が睨みながら聞いていた
女は言ったんだ

『仲良しごっこ。』 って。

「どういうこと?月ちゃん?」

春樹はその言葉を不快に思ったのか
黒い笑みで聞いていた。

「皆口玲也を誰も助けない。
 自分は無関係、そう思ってる。
 そして、君は一人で抱え込みすぎ」

清龍は唖然の表情で見てる。俺等に反抗してきた女は初めてだから。
しかも、俺の心に土足で入りやがって!

『黙れ。お前に何がわかるっっ!?』

俺はいつの間にか怒鳴ってた。そして、山咲月の襟を掴んだ

「わかるわけない。君じゃないから」

『なら、お前は黙ってろっ! これは俺の勝手だ』

こいつはなんなんだっっ
おれの心をかき乱す。

「じゃあ、僕が喋るのも勝手。
 いつまで逃げる?」

言いたいこと言いやがって!
お前に言われなくてもわかってる!

バキッッ
俺は月を殴った
月は倒れた。そして、立ち上がる
それでも、俺に言った。

「殴りたければ殴ればいい。
 君の心が晴れればそれでいい。」

自分より俺のことを考えていた。
俺の目を見て言ったんだ。

こいつは、俺の闇をわかってくれる。
そう思った俺は、馬鹿なのか。
この小さな体でなにを考えている?

『何で、君は、俺のこと、
 見透かすのかな………。』

泣きそうになった。
おれのことを考えてくれる女ははじめてだったから。

清龍は闇を抱えている。
この子なら救ってくれると思う。
だから、俺は、俺の闇を話す。