俺はその言葉を聞いた瞬間、涙が溢れた。

月は俺が泣き止むまで、俺を抱き締めてくれた。

『月、ありがとう』

俺は初めて月の名前を呼んだ。
月は、驚いた顔をしたが、直ぐに無表情になった。

「べつにいい。
 棗。」

初めて俺の名前を呼んでくれた。
照れながら。

『月!大好きっ!』

          棗side end