でも、ある日、サンタさんの夢に、奥さんが出てきました。
「お願いです。もうこれ以上、人を殺さないでください。あなたには、いつまでも優しいサンタさんでいてほしいのです」
サンタさんは、ハッと我に返りました。
「私は……私は、一体何をしていたのだ……」
サンタさんは、深い深い後悔の念に襲われました。
そして、誓ったのです。
『もう二度と、人は殺さない。
そして、誰よりも優しい、誰よりも人を愛せる人間になる』と――。
それ以来、サンタさんは、プレゼントと共に、幸せを子供たちと、その周りの人たちに届けました。
誓いを忘れぬようにと、返り血に染まった、赤い服で……。
End.