「…絵里、落ち込みすぎじゃね?」



「なんか、乙女の純情を返してほしい。」



「ははは。」



「ある日スーパーに買い物に行くと、ガムテープで口をふさがれ手もぐるぐる巻きになっている人魚を人んちの車の中から発見した。ような気分だわ」



「例えがよくわからないけど、嫌な気分になったことはわかったよ。」




「あのALT何て名前だった?」



「う~ん?」



「ブライアンだったっけ?」



ふと、教卓の方を見てみると
何やらカードらしきものが置いてあるの。



「これ、ブライアンのじゃね?」



「…社員証?しかも、これって鹿女のいた会社のじゃないか?」



名前はブライアンのものだ。



「これ、返しに行くか?」



「川に寝そべる河童を見つけたらヤクルトでもかけておくかってくらいの優しさだね」



「お前のそのわかりにくい例えは、流行ってるの?」



私達は、めんどくさいけどブライアンの社員証を返しに行くことにした。