『まったく、相変わらず泣き虫なんだから』 開いた窓から冷たい風がふく そして、その風の中に俺が一番聞きたかった声があった。 「…っ、ゆき…の?」 『春が私のことばっか呼ぶから…来ちゃったじゃん』 殺風景な俺の部屋をいろどるように、微かに透けた彼女がいた。 会いたくて会いたくて仕方がなかった彼女がそこにいた。 一年前と変わらない姿で俺の名前を呼ぶ。