あたしは
結局
その試合でも
悪かった。

今までは
上から数えた方が
早かったのに
下から数えた方が
早い。

夏、そこであった試合は
7位だったのに
14位…。

達弥くんは
伸びてる。

3位だったけど
準優勝した。

みんな
あたし以外のみんなは
スコアをのばしてる。

あたしだけ…。



帰り道。

あたしは
お母さんと車の中。

あたしは
外を見るだけ。

車の中で
流れている音楽は
あたしの好きな
5人組アイドルのアルバム。

今までは
ただいい曲ばかりだって
感じてたのに
今は
全てが悲しく聞こえた。


次の試合まで
達弥くんとは
会えない。


頭では
理解してたのに
心は
受け止めない。

大好きな歌が流れ始めた。

だけどそれは
もう
大好きな人には
会えない。

もし
時が戻るのなら
きっと
絶対にそばから離れない
っていう歌。

今になれば
涙が出てきそうで
一生懸命我慢した。

あたしは
達弥くんが
幸せなら
それでいい。