「!あ…」


後ろを振り返った瀬戸くんと目が合ってしまい

わたしは動かしていた手を止めるととっさに後ろに隠した。


だけどそんな風にごまかしたって、余計おかしく見えるだけで。

気まずくなったわたしは視線をそらしてしまう。


…どうしよう。

瀬戸くんが歩き出したあとも、しつこく手を振りつづけていたなんて

相手からしたら、きっと気持ち悪いよね…?


そう思ったら、今さら恥ずかしくてなってしまい、今にでも逃げ出したい気持ちでいたら

ふと向こうに見える瀬戸くんの手が軽くあがったのが見えた。


…?


どうしたのかと思い、とっさに目をこらしたわたしに


瀬戸くんは一瞬笑ったように見えたかと思うと、あげていた手をヒラヒラと動かし

なんとわたしに向かって手を振りかえしてくれたんだ。