水泳のお時間

「ほら、外はもう暗いんだから離れると危ないよ」


戸惑うわたしの気持ちとは裏腹に、瀬戸くんはまるで何事もなかったように平然と歩き出した。


それでもわたしの左肩には瀬戸くんの細長い指先が触れたまま…


ときおりその指先がわたしの肩を抱き直そうとするたび、緊張して頭が真っ白になってしまう。


「桐谷の家ってこっちで合ってるかな」

「……」

「桐谷?」

「あ、は、はい大丈夫です多分っ…」

「はは。なんだよ。多分て」


自分でも何を言っているのか全然分からなかった。


とにかく心臓がドキドキ言って頭がクラクラして


今にも破裂しそうだったんだ。


どうしよう!緊張して何も考えられないよ!