水泳のお時間

学校を出たときには外はもうだいぶ暗くなっていて。


車道を走る何十台ものトラックや軽自動車が

歩道を歩くわたしと瀬戸くんをライトで照らしては追い抜いていく。


「……」


…あれからわたしは一体何回くらいこの目を擦っただろう。


それでもやっぱり瞳に映るのは

二人分の通学バッグを担ぎながらわたしの少し前を離れて歩く…瀬戸くんの高くてスラッとした背中。


程よく着崩したその制服姿がまぶしく、上手に見られなくて、わたしはもう一度目をこすりあげた。


…信じられない。

これは本当に現実?

だってあの瀬戸くんと一緒にこうして帰る事が出来るなんて、考えたこともなかったから。


だからもしかして本当はまだ、わたしの体は気絶したまま眠っていて、今見ているのは全部夢なのかもしれない。


なんて、ついそんな後ろ向きな事を考えてしまう。