水泳のお時間

「…?」


しばらく言葉を忘れ、潜ったまま水中の様子に見入っていると

ふいに目の前の瀬戸くんと目が合った。


…水の中で映る瀬戸くんはいつも以上にキレイで、やっぱり欠点なんてひとつもない。


それに水中でフワフワとなびいては揺れる

その少しやわらかめの黒い髪がどこか色っぽく見えて、おろかな私はついドキドキしてしまう。


わたしはゴーグルをしているから相手の表情が鮮明に分かるけれど

瀬戸くんは付けていないからきっとこの気持ちに気づいていない。


そう思って安心していたのに、なぜかふっと優しく微笑み返されてしまい

ビックリしたわたしは思わず抑えていた息を吐いてしまう。


「…!」


ゴボッ…という鈍い音が水中で聞こえたかと思うと

動揺したわたしはつい瀬戸くんの体から手を離してしまい、とっさにジタバタともがく。


いやっ、恐い!助けて!

息が

息が苦しいっ…!