「なんなら俺が教えてやろうか?」

「えっ」


今すぐにでも穴に入りたい気持ちでいると、隣にいた瀬戸くんがサラッと流すように言った。

その言葉に、わたしはエッ?と顔をあげる。


「お、教えるって?」

「だーかーらァ、俺が教えてやるよ。泳ぎ方」

「い、いいの?」

「桐谷が、よければだけど。ダメ?」


瀬戸くんの言葉に、わたしは首をフルフルと横にふる。


そんな…!

ダメなんてそんなこと言うわけない!


だってあの瀬戸くんがわたしに…

わたしなんかに教えてくれるって!

夢みたい!嬉しい!!