水泳のお時間

「似合ってるね、それ」


そんな事を考えていると、いつの間にかわたしの足はプールの地面に届いていて

わたしの体から手を離した瀬戸くんがふいに口を開いた。


わたしはその言葉にハッと我にかえり、慌てて顔をあげる。


「えっ?」

「いや、可愛いなって思って。その水着」

「水、着…?」

「そう。その、ピンクの水着」


瀬戸くんはそう言うと、わたしが着ているビキニの水着を指でさしてみせた。

わたしは言われるまま、視線を下におろす。


すると瀬戸くんが指さしていたものは昨日、わたしが帰り際に買ったビキニだった。


そう、それはわたしが背伸びしたくて買った初めてのビキニ。


瀬戸くんに見せたくて買った、パステルピンクの…水着…。