水泳のお時間

わたしの体は瀬戸くんに抱っこされる形で、水中へと沈められていく。


聞こえてくる、ポチャポチャと水の弾いて揺れる音。


水の中はきっと冷たいと思っていたのに、逆に熱いくらいだった。


その理由はもう、分かってる…。


「…っ…」


瀬戸くんの腕に抱きかかえられながら、しがみつくわたしの手に力がこもる。


…どうしよう。


わたし、さっきまではあんなに水に入る事を恐がっていたはずなのに。


それよりもとにかく今はうるさいくらいドキドキ言っているこの胸の音を、瀬戸くんに聞かれていたらどうしようなんて…


そんな事ばかり頭の中をグルグルと回ってる。