新しいビキニに着替え、ドキドキしながらプールサイドに出てみると

そこにはもう瀬戸くんがベンチに腰をかけて待っていた。


それを見たわたしは慌てて瀬戸くんの元へと駆け出す。


「ご、ごめんなさい遅くなって…」

「いや、俺も今来たところだよ」


瀬戸くんはそう言って笑ってくれたけど

わたしは数分でも瀬戸くんを待たせてしまったことが申し訳なくて、いたたまれなくて…。

そのままうつむいて落ち込んでしまったわたしに、瀬戸くんはフッと微笑んで囁いた。


「今日はスクール水着じゃないんだ」

「あっ…えっ、えとっ、これは…元々家にあって…そ、それを…」

「ビキニは持って無かったんじゃなかった?」

「えっ?あっ……」


瀬戸くんに見せたくて買ったなんて言えず、とっさにウソをついてしまったわたし。


けれどそれはあっけなく見破られてしまい、オロオロしていたら、瀬戸くんが悪戯に笑った。