「な、なんだぁ…」

「ん?どーした?桐谷」


ベタな結末に、ちょっぴり拍子抜けしてしまったわたし。

その横で瀬戸くんは何も気づいてない様子で、こっちを見つめてる。


そうだよね、瀬戸くんにとってわたしなんて、ただのクラスメート…。

しょせん、同じクラスにいるうちの“女子”

それぐらいにしか思われていないんだ。

最初から分かっていた事なのに、わたしってば一人で意識しちゃって恥ずかしい…。


「な、何でもない」

「あーわかった。桐谷は泳ぐの嫌なんだろ?」

「えっ?どうして分かったの?」

「どうしてってさぁ、桐谷…おまえ一年んときから泳ぐの遅くて毎回ビリだったじゃん。俺見てていつもハラハラしてたんだからな」


うそっ…ほんとに?

そんなところ瀬戸くんに見られてたの?


やだ…恥ずかしい…

恥ずかしすぎるよ…っ!!