始まりがあるから、終わりが来るのなら。


終わりが来るからこそ、また始まりがあるのだとも思う。


去年までのわたしは、何か一つでも失うのが怖くて、下を向いたまま動けずに、背中を丸め、

胸にきつく握りしめた手を離すことが、ずっと出来ずにいたけど…


たとえ失っても、失った分だけ、また新たに得られるものはきっとあるって…

今はそう思うから。


だから今度こそ、わたしはこの手を離し、胸を張って歩き出し…サヨナラをする。


一人で泳ぐことが出来なかった自分へ。


今まで遠くから見ていることしか出来なかった自分へ。


…そして水泳の時間に。