「夕立ちか。桐谷、今日はひとまず切り上げよう」

「えっ…」

「これじゃ風邪ひくし、それにあんまりいっぺんに色んなこと教えたら、桐谷も混乱するだろ?」


そんな…混乱なんて…。


わたし、瀬戸くんに教えてもらえるなら、いくらだって頑張る。

覚えられるようがんばる…

ちょっとのことでもう、泣き出したりなんてしないから…

だから、もっと…もっとわたしに教えてください。


傍に、いたいんです…。


「桐谷?」

「……っ」


寂しい気持ちを勘付かれちゃったのかな。

いつまでもわたしが俯いて黙っていると、瀬戸くんが近づいてきた。