水泳のお時間

「ほら早くビート板使って練習しないと。泳げるようになりたいんだろ?」

「瀬戸く…は、はい…っ」


瀬戸くんに言われてしまい

わたしは密着した感触に戸惑いながらも、慌ててビート板を握る。


そして恐る恐るつま先を地面から少し水に浮かせると、そのまま軽くバタつかせてみた。


「ただバタつかせればいいってわけじゃないよ。足が沈んでる。腰をもっとあげて」

「で、でもどうすれば…きゃっ…?!」


するとその瞬間、瀬戸くんはわたしの腰を掴んだかと思うと、一気に水面上まで持ちあげてきた。


わたしはいきなり持ち上げられたことよりも、瀬戸くんに腰を触られたことにビックリしてしまい、握っていたビート板を思わず手放してしまう。