水泳のお時間

「桐谷がそう言うなら、いくらでも教えてやるよ。手とり足とり、ていねいに」


そう言うと、瀬戸くんはある物を倉庫から持ってきた。

そしてそのまま手渡された分厚いボードを前に、わたしは目を開く。


これ…ビート板?


「ほら。ビート板はこうやって持つんだよ」

「えっ?…あっっ…」


思わず戸惑っていると、いつの間に背後にまわったのか

後ろから瀬戸くんが両手を重ねてきた。


その瞬間、瀬戸くんの身体が背中にぴったりとくっついて、わたしはとたんに声が上ずってしまう。


「桐谷…もしかして緊張してる?」

「そ、そんな違…っ」

「違う?違くないだろ?」


わたしの肩に顎を乗せながら、瀬戸くんが甘く囁いてくる。


ピタリと密着する身体。


そんなわたしの胸元に曝されているのは…瀬戸くんの視線。


その瞬間、わたしは心臓がうるさく波打って、身体がビクビクとふるえて…


どうしよう。視られてる。

それだけでなんか…なんか変な気持ちに…っ