水泳のお時間

「――桐谷」


あれからどれくらい泳いだんだろう。

とにかく泳ぐのに必死で、それしか頭に入らなくて。


ふと耳元で瀬戸くんの声が聞こえたと同時に、右手が何かに触れた気がした。


「っ?」


その感触にビックリして、わたしはとっさに泳ぐのを止めて顔をあげる。

すると、そこでわたしが見たのは……プールの壁。


「ちゃんと泳げたじゃん。きっちり25メートル」


そのままポカンと立ちすくんでいたら、瀬戸くんの声がした。

その言葉に、わたしは思わず目をパチッとあけて後ろを振りかえる。


えっ?