水泳のお時間

後ろで瀬戸くんがわたしの足の甲を指で掴みながら

半円を描くようにそれをゆっくりと動かして、補助してくれる。


そのたびに瀬戸くんの目の前で揺れる…水着のスカート。


その瞬間、わたしは思わず後ろを振り向いてしまわぬよう、プールのふちを掴む手に力を込めた。


「桐谷、足があおり足になってる。足の甲で蹴るんじゃなくて、足の裏で泳ぐよう意識して」

「は、はい」


そう言って、再び左右に開かされた両脚に、わたしはとっさに目を押し瞑った。


「…っ…」


まただ、この感じ…。この感覚…前にも感じた事、ある。

だってこの前、瀬戸くんと息の練習をした時に感じたのとまるで同じ…。


体が熱い。


「ん…っ…」


瀬戸くんによって動かされるたび、まだそんなに息苦しくないはずなのに、もう息が上がってしまう。


どうしよう。やっぱり私って変、なのかな…。

だって何だか、瀬戸くんに視られてると思ったら、体がおかしくなったみたいに熱くって


瀬戸くんの手が、視線が…わたしの肌に触れてる、視られてると思ったら、ドキドキして…恥ずかしくて

こんな自分を後ろめたくなるような…おかしな気持ちになっちゃう、から…。