水泳のお時間

「瀬戸くんは悪くないです。今までそんな風に思ったこと、ないです」


一日でも早く、わたしは泳げるようになりたい。


一人前の自分になって、そして瀬戸くんに認めてもらいたい。


なのに、私はいつも瀬戸くんに迷惑をかけてしまうばかりで…。


瀬戸くんが歩くたびに揺れる振動はとても心地良くて安心するのに


失敗ばかりだった今日の指導を思い出し、また後ろ向きな自分が顔を出してしまう。


そんなわたしに瀬戸くんは何か声を掛けるわけでも

言うわけでもなければ、ただ黙って歩き続けるだけで…。


不安になったわたしは、瀬戸くんの服にしがみついていた手をギュッと握った。


「だって悪いのは全部、いつもちゃんと出来ない私のせい、だから…」

「……」

「今日教えてくれた息の練習だって、わたしが全然言われた通り出来なかったから…だから途中で止めてしまったんですよね?」


こんな卑屈なことばかり口にしてしまうから、いつまでも変われないのかもしれない。


でも、言わずにはいられなかったんだ。


…だって今日の息の指導中、あんなにも頑張っていたのに

どうしてか瀬戸くんは突然わたしから唇を離してしまって。


また今日も言われた通り出来なかったんだって落ち込んでしまったと同時に、瀬戸くんに拒否されてしまったような…そんな風にも感じて、悲しかった。


だけどこんな気持ち口に出せなくて、わざと考えないようにしていたけれど

でも本当はずっと気にかかってた。