水泳のお時間

瀬戸くんはそう囁くと、わたしの口から静かに指を離してくれた。


口に入れられていた指をようやく抜いてもらえて、思わず安堵するわたし。


そのまま肩で大きく息をしていたら

今度は瀬戸くんの顔が近づいてきて唇をふさがれてしまった。


一瞬何が起こったのか分からなかったけれど

すぐ目の前に見えた瀬戸くんの顔に、わたしの心臓が一気に跳ね上がる。


「!!」

「桐谷、暴れないで。暴れたら息が続かなくなるよ」


思わずベッドの上でジタバタともがく私の手首を器用に押さえながら、瀬戸くんは淡々とした様子でなおも唇を重ねてくる。


そのたびに瀬戸くんの甘い吐息と熱を感じて…


わたしは驚きと戸惑いで、今にも息があがってしまいそうだった。


だって、だって…


わたし、考えもしなかった。


瀬戸くんの部屋でする練習がまさか、キスだったなんて…!