水泳のお時間

「え…?」

とつぜん視界が反回転したかと思うと

わたしの体はベッドの上に倒れ、目の前ではそんなわたしを見下ろしている瀬戸くんの顔が映っていた。


そのまま体を挟まれるように左右に手を置かれ

わたしは身動きが取れなくなってしまう。


「…せ、瀬戸く…?」


部屋の光が瀬戸くんの背で隠されて、うっすら影で暗く映る瀬戸くんの顔。


怖くなってとっさに名前を呼んだわたしに


瀬戸くんは何か答えるわけでもなく、上に被さったまま静かに顔を傾けてみせただけで、わたしはますます混乱してくる。


「せ、瀬戸くん…、…っ!」


不安になってもう一度名前を呼ぼうと口を開けようとしたら

直前で瀬戸くんに人差し指で押さえられてしまった。


そしてそのまま強引に唇をこじ開けられたかと思うと

中に瀬戸くんの細長い指が押し入ってきて、わたしは思わず声をつまらせてしまう。


「んぅ…っ、せ、瀬戸く…」

「こうされてもまだ分からない?息の練習だよ」

「…っ?」


息…?


そう言われても私には分かるはずもなくて、ますます戸惑ってしまう。


唇は今でも瀬戸くんの指をくわえされたままで、思わず泣きそうになっていたら、瀬戸くんは静かに微笑んだ。


「長く潜れるようになるには、その分息も長く止められるようにしないといけないだろ?」