水泳のお時間

それにしても瀬戸くんの家で水泳の練習って、一体どんな事をするんだろう?


部屋の中を見回しても、水泳用具は用意してないみたいだし

何か特別なものが置いてあるわけでもないみたい。


…しいて言うなら、どこの家庭の部屋でもごく普通に置かれてる、机やタンス、それとベッドがあるだけ…。


「そんなに俺の部屋が珍しい?」


そんな事を気にしながら、ベッドに腰掛けたまま一人キョロキョロしていたら

瀬戸くんがふと顔をかたむけてきた。


その言葉にハッとして顔を赤らめてしまったわたしに

瀬戸くんは目を細めながら微笑む。


「それとも気になる?…これからここで何をするのか」

「え?あっ…その…」

「せっかちだな桐谷は。そんなに焦らなくてもちゃんと教えてあげるのに」


そう言って、瀬戸くんはわたしが持っていたティーカップをさりげなくテーブルに戻してしまったかと思うと、そこから立ち上がる。


そのままポカンとしていたら、瀬戸くんに肩を優しく押されて

気がつくとわたしの背中はベッドの上に倒れていた。