“もうすぐ水泳の授業が始まります。期日までに水泳用具をきちんと揃えておくように”


季節は6月…

夏も目前に迫り、友達はみんな大はしゃぎ。


だけどそんな周囲とは対照的に

わたし…桐谷知鶴(キリタニチヅル)は数週間後に控えたプール開きを前に、ひどく落ち込んでいたんだ。


「はぁ…」

「桐谷、どうした?」

「瀬戸くん!」


しばらくプール開き関連のプリントを見つめてボンヤリしていると、突然同じクラスの瀬戸(セト)くんに話しかけられた。

顔をあげると、瀬戸くんの顔がすぐ近くにあって、心臓がひっくり返りそうになる。

それでも瀬戸くんの顔はどんどん近づいてきて…!


ま、待って!瀬戸くん!

顔近い!近いよぉ…っ!!