──ここだ。

前と全然変わらない。

緊張しながら、チャイムを押す。

すると、中から、


「か、夏音?!」


前と何も変わらない十弥が出てきた。

少し、大人っぽくなったかな?


「ごめん、待たせすぎたよね?」


あたしは、無意識に十弥に抱きついていた。


「全然」


十弥がそっと、あたしを抱きしめる。


「ただいま、十弥」

「おかえり、夏音」


あたしがニコッと笑うと、十弥も優しく微笑んだ。

……ちゃんと、言わなきゃ。


「とお……」

「夏音、好きです」


あたしの言葉を制すように、先に言った。


「あたしも、十弥が好きです」



そして、四年ぶりのキスを交わした。

「シャンシャンシャンシャン──

フォッフォッフォー」


季節はずれな音と声が、あたし達を祝福するように、どこか遠くで、鳴り響いていた。


クリスマスの奇跡、ほんとに起きたよ。

だいぶ遅めのサンタクロースからのプレゼント貰ったよ──