「今から、椎名んとこ行くの?」
「うん、そうだけど、何で分かったの?!」
「そんなニヤニヤしてたら、誰だって分かるよ」
咲希の言葉に反応し、思わず頬をつねる。
「今は大丈夫だよ」と、笑い、
「邪魔したね、あ、そうだ、東京居るんだったら今度どっか出かけよ」
と、言って手を振った。
お誘い付きで。
「分かったー、今度。じゃ!」と、手を振り替えし、十弥の家に走って向かった。
ドクン、ドクン、ドクン、ドクン……
今、心臓が五月蝿いのは、走ってるからじゃなく、十弥に会うための準備。
すごい不安で、すごい怖い。
だけど、それに匹敵するぐらい楽しみ。
四年ぶりに会うから、十弥に彼女ができててもいい、そのときは、しっかり諦められる……
と、思う。


